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 ←肥えまきと籠職人のおじさん/3年目の小作人日記 →Interviews/さくらんぼ農家でデザイナー。農ある暮らしと天職を行う生き方(半農半X)を実践 宮城 妙さん
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Essay

英会話とキャンディ/2013エッセイ

 ←肥えまきと籠職人のおじさん/3年目の小作人日記 →Interviews/さくらんぼ農家でデザイナー。農ある暮らしと天職を行う生き方(半農半X)を実践 宮城 妙さん
 週に一度の習い事に出かける。自宅から徒歩2分のところにある、出羽庄内国際村で行われる英会話のレッスンを受講しているのである。
 4月から新しく私の先生になったオーストラリア人のトムは、とても陽気で独り言も多く冗談ばかり飛ばしており、アメリカ人のようである。一方、昨年のレッスンを担当していたアレックスはアメリカ人だったのだが、シャイで非常に真面目な先生だった。どうやら私の国籍に対する偏見はあてにならないようだと痛感する。
 この日はみんなですごろくをした。Sugoroku。ゲームの勝者上位3名には、あぶらとり紙、動物の顔を模したファンシーなボディスポンジ、缶ジュース(2本)が送られるとのこと。これらの景品はトムが105円ショップ(100円ショップじゃなくて105円ショップさ!と繰り返すトム。)で調達したらしい。誇らしげなトムだがどうしてこれらの品々を景品に選んだのか、気になって仕方がない。
 問いたい気持ちをぐっとこらえ、生徒6人でテーブルを囲み、サイコロを振ってこまを進めてゆく。マスごとにイベントがあり、特筆すべきことに「Candy」というマスではそこにコマが止まった場合、全員で飴やグミなどのCandyを食べられるとのことである。
 「Candy」にコマが止まると、「Yeah! Candy!!」「Nice Candy! Candy!!」と、全員でひた叫び、Candyに群がり、コマを進めた生徒は英雄のような面持ちである。普段の生活ではさして嬉しくないことでも、英会話中だとすこぶる嬉しいから、不思議である。今年30になるにも関わらずNice Candy!とはしゃいだ自分を振り返ると、恥ずかしくてくらくらする。でもみんなはしゃいでいたから大丈夫だと、自分を励ましている。
 どうしてか私のサイコロは1や2などの少数ばかり出すために、皆から大変な遅れをとる。残り時間も少なくなってきた頃、なんと1番手の方と位置をトレードするマスにあたり、遂にそのまま1位でゴールインしてしまった。自分自身が一番驚く。こんなところで運を使った私。
 満面の笑みを浮かべるトムから景品の缶ジュース(2本)を受け取り、私と位置をトレードした友人と分け合って、今日も愉快な英会話だったなぁと、てくてくと家路についた。



みかんと移り気


 あんまりスグルさんにばかにされるので、悔しくなって、みかんというあだ名をつけて呼ぶようにした。最初の頃は、みかんと呼ばれることに少し納得のいかないような表情をしていたけれど、このところすっかりみかんが馴染んできて、みかんと呼んでも全く平気なようである。仕舞いには自らみかんと称するようになり、今度は私がすこぶる納得いかない。
 さらにはみかんというあだ名が少し羨ましく思えてきたので、これはこれは、自分の心の移り気で欲張りなことを恥ずかしむ。


コンビニエンスストアとくぢさがれたパン


 夜は習い事で帰宅が遅くなる。会議のため同じ頃に帰宅したスグルさんと遅い夕食を摂る。夕方に職場近くのコンビニエンスストアにて起こった出来事に興奮している様子なので、聞き役に徹する。
 夕刻のこと、小腹をすかせたスグルさんは近くのコンビニエンスストアでパンをひとつ買い求めたそうである。会計の際、店員の20代とおぼしき女性から温めますか、と聞かれたのでお願いしますと答えると、
「それではくぢさぎますねー」
 と、唐突に添えられたそうである。チンという音とともにほかほかのパンが電子レンジより取り出され、彼女はそれをビニール袋に素早くしまって持ち手をくるくるとまとめながら、「くぢさげてますので気をつけてお持ちくださいねー」と、再び念を押すように添えたそうである。
 「くぢさぐ」とは庄内弁で「口裂く」のことである。破裂を防ぐために切り込みを入れますよ、ということを意味していることは理解できるのだが、なんというか、少し開けますね、が庄内において口裂きますね、と変換されている、それも若いおなごが何度も何度も「くぢさぐ」と繰り返し、コンビニエンスストア・マニュアル的にも承諾されているようなので、衝撃を受けたようである。
 18でこの土地を離れたとはいえ、自身も庄内人のはしくれ。「んだ、くぢさいでくれよー」くらい、返したほうが良かったのだろうかと思い悩み、悩みながらもほかほかのパンで小腹を満たし、おなかには平穏が訪れ無事に会議を乗り越え、それでも気になって仕方なく、今こうして私に熱弁をふるうに至っているようである。
 店員さんの前で鳩が豆鉄砲をくらったようになったスグルさんを想像して内心ぷぷぷ、と思っていたが、ぷぷぷと思っていることが知れてはまた叱られるかもしれないと思い、先日にんにくで学習した私はそれはそれはと神妙に聞き入って相づちを打つ。一方で、くぢさぐ、という庄内弁はネイティブにしか自然にできない発音なので、大変気になり、何度か小声で言ってみるけれどうまくいかない。くぢさぐの「ぢ」が特に難易度が高い。
 そのうち、気が散り散りになっていることに気がつかれては先日の二の舞と気づいた賢い私は、練習は後ですることにして、再びじっと話に聞き入る。

爆弾低気圧と中古の自転車


 爆弾低気圧という言葉を覚えたのは去年のことで、新しいことを覚えることが比較的苦手な私でも容易に覚えることができたのは、その威力と破壊力が凄まじかったからだろうと慮る。
 この土日にかけて、昨年のそれと等しい低気圧がまた近づいてくるらしい。そう聞いて恐れ戦いて、週末は家にこもってなんとかやり過ごそうと決心していたけれど、いざ土曜日になってみるとさして風雨も強くなく、肩透かしをくらいあっけにとられる。聞けば、ここ山形には少し遅れをとってやってくるらしい。
 緊張感から開放されるなり、以前より購入を検討していた自転車を探しに出かける不真面目な我々。ホームセンターで新品の安い自転車を買うことを一番に思いついたが、町の自転車屋さんで中古の自転車がうまく手に入らないものかと考えて、羽黒街道沿いの自転車屋さんを訪ねることになった。
 1軒目に訪ねた自転車屋さんで、初老の店主と思しき男性がひとりで自転車を修理していた。お店には新品の自転車がずらりと並んでいる。遠慮しいしい店主へと、中古の自転車を探しているのですがと伝えると、予算はと聞かれる。安ければ安いほどありがたいですと言うと、ちょっと待ってろ、と言い残して店の裏へと回っていった。戻ってきたときには、少し錆びは目につくもののまだまだ現役のブリジストン製の自転車をひとつ従えている。破格の値段を聞きこちらで十二分と判断した我々は、是非にお願いしますと嫁取りを申し出る。晴れて交渉成立である。
 奥から娘さんかお嫁さんかと思われる女性が出てきて、事務手続きに関する様々を執り行う。始終丁寧な様子で感心する。爆弾低気圧前におちおちと自転車を買いに出かけるような私たちに珈琲まで出していただいて、恐縮する。
 去り際に、「磨けばきれいになるから」と、やすりまで付けてくれた。荒れゆく天気に反して晴れやかな心持ちで帰路につき、アパートの自転車置き場で早速錆び落としに専念する。そのうち空が怪しく垂れ込めてきたので、後ろ髪を惹かれる想いで錆び落としを断念し、当初の思惑通り縮こまってなんとか暴風雨をやり過ごす。


居酒屋「隼」とこうなごの佃煮


 本日は親しくして頂いている広島出身の友人と居酒屋へ繰り出す約束のある日なので、朝から浮かれる。あんまり浮かれて気分のままに焼き菓子をこしらえるほどである。一通りこしらえ終えてから、先日にんにくを掘り返して叱られたことをすっかり忘れていることに気がついて、浮かれるのもほどほどにして、昼過ぎからはじっと神妙に夕刻を待つ。
 雪がとけて寒さも弱まったから、今日こそは自転車で出かけようと決めていた。実はこの季節に自転車を走らせることを例年の楽しみにしていて、暮れてゆく夕陽の中、冬と春、昼と夜が入り乱れる気配に五感を浸し、少し肌寒いのをこらえながらゆっくりと進んで行くことに、動物的快楽を感ずるのである。
 待ちに待った時間となり、友人と落ち合って昭和町の「隼」という居酒屋に入る。山形地鶏の料理で有名で、かねてより訪ねてみたいお店のひとつであった。私はビールを、友人はグレープフルーツジュースを頼み、地鶏の焼き鳥、アスパラ焼きなどを味わいながら、お目当ての山形地鶏のレバーペーストをオーダーする。細かな感想は省略するが、鶴岡の中でもレベルの高いお店で文句なしの至福の時間だった。
 幸せな気分いっぱいで帰路につく。帰り際に友人から、こうなごの佃煮を土産に頂戴した。友人のお母様のお手製のものらしく、心から感激し再び浮き足立って帰路につく。しかし次は抜かりないよう玄関前で浮いた足をしかと地面につけてから、靴をそろえて家の中に入る。
 翌日に早速頂いたところ、生姜の効いたこうなごの佃煮の美味しいことこの上なく、純米吟醸「和田来」との相性もとてもよく、つい飲みすぎる。スグルさんもご機嫌で悦に入っている様子である。これできっとにんにくのことは帳消しであろうと、ほっと胸を撫で下ろす。これも全て友人のおかげなので、重ねて感謝する。

写真 (5)

image (3)



骨が3センチくらい無いらしい


 友人とともに某病院に赴き、過日山肌を滑り落ちて左足を粉砕骨折し、ヘリコプターで救出された話題の友人(親ほどの歳の方で友人と呼ぶには大変恐れ多いが、されど他に呼び名が思いつかないので、友人と呼ばせていただく)を訪ねる。
 話題の友人は類稀なる精神力の持ち主で、我々の訪問とリクエストの珈琲に喜ぶや否やまず、骨折にいたるまでの様子をiPhoneにおさめた写真とともに解説し、それから明日に控えた手術の詳細を話してくれた。
「骨が3センチくらい無いらしくてさぁ、折れたときに飛び出して、そのまま山に置いてきたんだなぁ」。わははと笑う話題の友人。凍りつく私。
 左足には金属の棒が何本も刺さっていて、その様子を見ているだけではらはらとしてしまう心弱い私は、「い、いたくないのですか」などという、猿でもしないような問いを投げかける有り様。「うーん、骨に刺してるからかあんまり痛くないみたい」との友人の返答に、心臓まで凍りついて卒倒しそうになる。
 帰り際、是非お持ち帰りなさいとみかん類を頂く。私たちと入れ替わりにきていた客人の土産で、これまで聞いたことの無い様々な品種のみかん類を持ってきていらした。客人は丁寧に品種について説明をしてくれたのだが、私も友人もさっぱり覚えていない。ともに訪ねていた広島出身の友人が柑橘類に馴染みがあり、手ほどきをうけて選抜する。
 夜遅くになってから、ありがたくそれらを頂戴する。こんなに美味しいみかん類を口にしたことがなかったので、驚き感動する。

写真 (3)


冬の終わりと十一屋のまんじゅう

 
いよいよ今日から洗濯物を外に干すことにいたそう。そういえば、昨年の今頃にもそう決意した日があったように思う。ほとんど全てを干し終えてから、不意に思い出した。
 ここ1週間のうちに、あれほどに閉口させられた雪がすっかりとなくなった。その去り際といったら潔いことこの上なし。あの厳しい冬の日々は一体なんだったのだろう、と憂う程でもある。しかしそれ以上に一日一日と近づく春の訪れが慶ばしく、単純な頭なので憂いのことはすぐに忘れる。
 ふと、まるで雪のような人という表現について考える。これまで雪のようなと形容されれば、ふわふわと儚く、可憐でしとやかなさまをイメージしたが、そうでもなかったのではと気がつく。勝手気ままに厳しく暴れまわり、気がついたらきれいさっぱりいなくなっている。そんな人のことも言えるのかもしれない。まんじゅう右手に想い耽る。
 天気が良い日にふらりと外に出かけられるのは、自由な身の特権であるとつくづく感じ入る。土手で川面を眺めながら、まんじゅうに舌鼓を打っていた。十一屋の藤島まんじゅうである。白餡の中に混じる小豆の、少し塩味がきいたのがまた良い。ぽかぽかの陽気の下まんじゅうを食らう。これもひとつの贅沢の形。

写真 (2)
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